10.ペトロ

先月、初代教会において十二人の使徒達は、イエスの教えを正しく伝えるために中心的な役割を果たしたと書きましたが、その中でもペトロは特別の立場に置かれたことについて一言申し上げたいと思います。

ペトロの本来の名前はシモンでした。ガリラヤのベトサイダの出身で、漁師の仕事をしていました。兄弟アンデレと共に、イエスに呼ばれてついていきました。

四つの福音書の中に、ペトロはどんな使徒よりも多く載っていましたし、度々リーダー的な態度をとっていました。しかし、教会の歴史の中にペトロの後継者の立場は問題になっていました。マタイ16章16節~18節によると、ペトロはイエスが救い主であり神の子であることを宣言してから、イエスは彼に「あなたはケファ(岩)である。その岩の上にわたしの教会を建てる。・・・」とおっしゃいました。ケファという名前は、ラテン語に訳された時ペトロになり、その形でずっと使われました。又ヨハネ21章15節~17節には、イエスはペトロに三回私を愛しているかと尋ねてから、「私の羊を牧しなさい」と言われたのです。その言葉によって、ペトロのリーダーシップについてはほとんどのキリスト信者は認めています。問題はその後継者も同じ指導権を持っているか、またはペトロ自身だけだったのかについて、カトリックと他のキリスト信者の考え方は違っています。その中でも教会によって考え方は色々違っています。他のキリスト信者によりますと、教会は次第に発展したことによって、ローマ帝国の政治的な組織をまねして、教会は君主体制になってしまい、ペトロの後継者であるローマ司教が教会の頭(かしら)になってしまったと考えています。カトリックの立場としては、ペトロにあのような強い権限を与えたのは、ペトロの為だけだったらあまり意味がなかったと考えています。そのあと教会が広まってきて、キリストの時代から離れていく事によって、このようなときこそ信者の一致を保つために力強い指導権が必要だったと思っています。その上最初の千年は教皇の立場は全教会から認められていたのです。現在この問題はエキュメニカル運動(目で見えるキリスト信者の一致)の一つの大事な宿題になっています。

教会におけるペトロの後継者の立場は何であるのか、共通の考えを見いださない限りキリスト信者はイエスの命令「一つであるように(ヨハネ17章22節)」を守ることができないでしょう。