3.神殿における十二歳のイエス(2013年3月)

イエスのナザレでの生活について次のできごと以外は、何も知られていません。

イエスは十二歳の時、過越祭を祝うために、両親とともにエルサレムに赴きました。そしてルカ福音書によれば、両親に何も告げず一人で神殿に残ったのです。

三日目に、マリアとヨセフは、学者たちの中にいるイエスを見つけました。この律法学者たちは自分らの質問に答えるイエスの知恵に感嘆していましたが、マリアは母として叱責の口調で言いました。

私の子よ、なぜ、こんなことをしたのですか?。ごらん。お父さんと私とは心配してさがしていたのですよ。」(ルカ2.48)

イエスは「父」ということばを口に上せ、自分が父の家にいるのは当然なことだと答えました。父と呼んでいた神のことを指示したのです。両親には理解できませんでしたが、マリアはその言葉を心におさめていました。

このできごとの意味は何なのか。それには、ルカがなぜこのことを記したかを調べなければなりません。
前に述べたように、この福音史家にとって、イエスがエルサレムにおいて自分を表したことは重要なのです。神はエルサレムで人々に現れることを約束しました。最初の現れは、神殿におけるイエスの奉献であり、当時のイエスはまだみどり児で、話はできませんでした。それでエルサレムはシメオンとアンナを通じて語りました。エルサレムは初めてその主に出会いました。

そして十二歳の少年の物語では、イエス自身が話すのです。今、主は初めてエルサレムに出会います。神の民に対しての約束は、私たちの目の前で成就されたのです。