12月 飼い葉桶の福音

皆さん、11月25日の「王であるキリスト」の祭日を祝った一週間後、12月2日に新しい典礼歴年が始まり、私たちは「待降節」の典礼に導かれて、とくに旧約の人々が救い主を待っていたのにならいながら、神さまが来てくださるのを待ち、幼いイエスを迎える準備をします。
イエスさまが私たちの救いのためにベツレヘムで聖母マリアからお生まれになったということは、まさに「福音」、「よい知らせ」の初めです。「ヨセフ〔は〕…ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである」(ルカ2・4ー5参照)。「ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである」(ルカ2・6ー7)。ここで、聖ルカは「イエスの誕生」を伝えてくれます。
父である神さまは、私たちの救いのために、御子イエス・キリストを与えてくださいました。「乳飲み子」が「飼い葉桶」に寝ていること自体は、すでに見事に私たちの救いを表しています。「飼い葉桶」は、動物のための飼料を置く場であり、動物が飼料を見いだす場です。この「飼い葉桶」の中には、私たちの心の糧となって、私たちの飢えを満たすことができる「真のパン」であるイエスさまが寝ておられます。神さまは、御子イエス・キリストを私たちの「真のパン」としてお与えになることによって、ご自分が私たちのお父さんであり、その大きな愛を示してくださったのです。
ルカによる福音書2章6節と7節で詳細に述べられているベツレヘムでの出来事、「イエスの誕生」という出来事は、福音の初めです。イエスさまはこの世に来られた時に、さっそく「へりくだり」と「貧しさ」の道を歩み始められました。こうして、私たちに「福音」、「よい知らせ」の内容、「真の幸せの秘訣」を教えてくださったのです。皆さん、クリスマスは再び「へりくだり」と「貧しさ」の福音に生きるように、私たち一人ひとりを促します。毎日、より一層「へりくだり」と「貧しさ」の福音に生きることによって、私たちは真の意味で「幸せ」になり、自分の人生とともに、愛する者をはじめ、他の人の人生をも豊かにすることができます。毎日、一緒に主イエスご自身のまなざしを私たちのまなざしにしましょう。主イエスのまなざしは、いつも「天におられる私たちのお父さん」である神さまのまなざしでした。イエスさまと父である神さまのまなざしとは何かと言いますと、「優しさ、愛、あわれみ、いつくしみ、赦し」に満たされた「もの」です。新しい典礼暦年を迎えた私たちは、再び主イエスとともに歩むように招かれています。それは、主イエスのように生きることができるためです。まず「へりくだり」と「貧しさ」の道を歩んで、すべての人のための「パン」となりましょう。
皆さん、よいクリスマスをお迎えください。